本文へスキップ

The Japanese Association for Rural Studies
[English]

年報と大会・研究会SERVICE&PRODUCTS

ページ内リンク

[年報]  [大会]  [研究会]  [委員名簿]

年報 村落社会研究

『年報 村落社会研究56 人の移動からみた農山漁村―村落研究の新たな地平』

【共通テーマ】人の移動からみた農山漁村―村落研究の新たな地平
序   農山漁村をめぐる移動研究の俯瞰図
第一章 労働力型都市移動と同郷ネットワークの「論理」
    ー但馬出身者による京阪神都市圏下大衆食堂の展開を事例としてー
第二章 漁民の移動と定住をめぐる段階性
    ―堂浦一本釣り漁民と九州・五島行き以西底曳網漁民の移動を事例として―
第三章 森林・林業に関わる女性の結婚・就労にみる移動とキャリア形成
第四章 農山村への「Iターン」の現代的課題:移住経路と支援・移住後のライフステージ変化への対応・移住を支える価    値―山形県西村山郡西川町大井沢への「Iターン」から考える―
第五章 震災被害者にとって居住地はどのような意味を持つか
    ―東日本大震災における強いられた移動をめぐって―
第六章 地域に構造化される「人の移動」―村落社会をめぐるパースペクティブの再考にむけて―
終 章 村落と移動をつなぐ新たな地平

【研究動向】
史学・経済史学の研究動向
農業経済学の研究動向
社会学・農村社会学の研究動向

第六十七回村研大会記事
編集後記

過去の年報

こちらをご参照ください(外部リンク)。

学会大会


第69会(2021年度)大会(オンライン開催)の案内

【大会概要】
◆期日: 2021年11月6日(土)、7日(日)
◆開催形式:オンライン(Zoom使用)

【大会スケジュール】
◆11月6日(土) 自由報告・総会
9:15~ 9:30         開会式(会長挨拶)
9:30~12:10        自由報告A・自由報告B
12:10~13:10      昼休憩
13:10~14:30      自由報告C
14:30~15:00      休憩
15:00~16:30      総会・理事選挙結果報告 

◆11月7日(日) テーマセッション
9:30~12:30        テーマセッション(午前の部)
12:30~13:30      昼休憩
13:30~15:30      テーマセッション(午後の部)
15:30~15:45      閉会式

【大会参加方法】
 以下のURLからお申込みください(非会員も参加可)。受付が完了すると、申し込み時にご記入いただいたメールアドレス宛てに内容確認のメールが届きます。また、大会数日前に、大会参加マニュアル(Zoomミーティング情報を含む)をお送りします。


◆参加申込フォームURL: https://docs.google.com/forms/d/1yXYVd5Cd3sUk7-SLx5i32XS_43Mx3Z5u7No7botfDZQ/edit?usp=sharing

◆参加費:無料  

◆申込締切:10月31日(日) 

◆お問い合わせ先
 不明な点等は下記の担当者までお問い合わせください。

  大会実行委員長 川田美紀 mkawata[アットマーク]est.osaka-sandai.ac.jp

【大会実行委員会】
川田美紀、矢野晋吾、五十川飛暁、北島義和、高野和良、西山未真、平井勇介、村田周祐
 

Ⅱ.第69回(2021年度)大会プログラム

11月6日(土)

9:15~ 開会式
9:30~14:30 自由報告
    1報告35分(報告25分、質疑応答10分) 

9:30~10:50 【自由報告A】 座長:家中茂(鳥取大学)
1. 高橋知花(東北大学大学院文学研究科)
「森林の過少利用状況への『働きかけ』とその可能性」
2. 三須田善暢(岩手県立大学盛岡短期大学部)
「若者が関与する村落内集団の現代的様相とその意味――山形県遊佐町藤井の事例から」    

10:50~12:10 【自由報告B】 座長 坂梨健太(京都大学)
3. 永野由紀子(専修大学)
「バリ・ヒンドゥー村落の近隣集団――タバナン県グヌンサリ慣習村の2つのバンジャール(部落)の事例」
4. 中田英樹(社会理論・動態研究所)
「日本からパラグアイへの移民史からみる日系パラグアイ人──在留外国人における日系人概念再検討へ向けて」

12:10~13:10 昼休憩、意見交換ミーティングルーム開設

13:10~14:30 【自由報告C】 座長 市田知子(明治大学)
5. 大友由紀子(十文字学園女子大学)・中道仁美(京都女子大学)・大西広之(四国大学学際融合研究所)
「女性の活躍による家族農業の持続的発展の課題──オーストリアの先進事例より」
6.大竹晴佳
「酪農家女性の経営参画および社会参画の現状――岡山県の酪農家女性を事例として」  

14:30~15:00 休憩、意見交換ミーティングルーム開設  

15:00〜16:30 総会 


11月7日(日)
9:30~9:35  諸連絡
9:35~15:30テーマセッション(11:15~11:20休憩、12:50~14:00昼休憩)
「生活研究の射程——生活の視点から現代のムラを捉える」
コーディネーター 高野和良(九州大学)
1.村田周祐(鳥取大学)
「変わらないために変わり続けるムラ――竹内利美の動的平衡論から迫る移動の時代における宮城県七ヶ宿町湯原と千葉県鴨川市大浦の生活」
2.松本貴文(國學院大學)
「移動型社会における農山村の地域社会とネットワーク型地域づくり組織――熊本県あさぎり町須恵地区和綿の里づくり会の事例から」
3.加来和典(下関市立大学)
「農村地域における日常型移動研究の意義」
4.閻美芳(早稲田大学)
「生活論からみた中国農村の人びとの生活合理性――都市化・流動化に生きる山東省閻家村を事例に」
コメンテーター 沢畑亨(水俣市久木野ふるさとセンター・愛林館)

15:30~15:45 閉会式

第69回(2021年度)大会のオンラインでの開催について 

 研究通信においてお伝えした通り、第69回(2021年度)大会は、対面開催の場合、福田惠会員(広島大学) を実行委員長 とし 、周防大島、岩国での開催を予定して準備を進めてまいりました。
 しかし4月24日に開催された理事会において、新型コロナウィルスの現状や影響をふまえて検討を行い、第69回(2021年度)大会については、オンラインで開催することを決定いたしました。 なお日程に変更はなく、11月6日に自由報告、11月7日にテーマセッションのスケジュールになります。
 これからオンライン大会の実行委員会を編成し、開催形式の具体的方法やスケジュールを早急に検討いたします。大会参加、自由報告の申し込み締め切りについては、決まり次第、メール、学会HP、研究通信を通じて、会員の皆様にお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。
 引き続きご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

第68回(2020年度)大会の特設ページを設置しました(2020/08/17更新)

 第68回(2020年度)大会がオンラインでの開催となったことを受けまして、大会の詳細をお知らせするための特設ページを設置いたしました。大会に関する詳細はこちらからご確認ください。随時、新しい情報を更新してまいります。

第68回(2020年度)大会の案内(2020/07/15更新) 

 2020年度第68回村研大会は、新型コロナウイルスの状況から、オンライン形式での開催とすることを決定致しました。 6月20日、臨時の理事会を開催し、本件について協議を行いました。会場校となる明治大学からは、同大学が「自粛要請は出ていないが、感染への注意が必要な状態」の場合、外部に対する施設貸出が不可となる方針が説明され、現状では通常開催が厳しいとの認識が示されました。その上で、他学会の動向などを踏まえ、大会開催自体の休止も含めた様々な可能性について検討を行った結果、今年度に関しては、通常開催を断念し、オンライン形式を取らざるを得ないという判断となりました。
 議論の中では特に、質疑応答等も含めて学会として議論の質を保つことが出来るのかという論点などが話し合われましたが、「研究を止めない」ことを大前提に、それらの課題については今後、研究委員会を軸とした特別チームを編成し、実施の具体的な方法等を検討していくことになりました。
 なお、日程については予定通り、自由報告を11月21日、テーマセッションを22日に実施します。
 また、今回の参加費は無料とすることといたします。
 会員の皆様には、例年とは異なった形でご協力を賜ることになろうかと思いますが、どうぞ宜しくご理解ご協力の程、お願い申し上げます。

(研究委員会・矢野晋吾)

第68回(2020年度)大会の案内

 今年度の大会は、11月20日(金)~22日(日)の日程で、明治大学駿河台キャンパス、リバティータワーにて開催予定です。おおよその日程は下記の通りです。

 11月20日(金)各種委員会、理事会
 11月21日(土)自由報告
 11月22日(日)テーマセッション「日本農村社会の行方(仮)」

 なお、新型コロナウィルスの感染状況により、11月の時点でも通常の開催ができない可能性もあります。通常開催の可否、オンライン等の代替的な方法で開催するかどうかについて、理事会等で検討の上、6月末までには会員の皆様にお知らせしますので、ご了承いただければありがたいです。よろしくお願いいたします。
                                              (大会実行委員会・市田)



若手会員の大会発表・参加への補助について

 本件につきましては若手会員支援のページをご参照ください。

研究会の案内

今後開催される研究会の情報


北海道地区研究会のお知らせ

本年度の村研北海道地区研究会を下記の日時で開催いたします。多数の御参加をお願いいたします。 

日時:2021年10月10日(日) 14:00~17:00
会場:オンライン会議方式(Zoom)
報告者:
 ①林琢也(北海道大学)
  「都市化地域とブドウ産地の狭間で――岐阜市長良地区の諸相」
 ②高崎優子(北海道教育大学釧路校)*非会員
  「『十三浜小指 八重子の日記』にみるコミュニティ実践」

申し込み:
 参加をご希望の方は、10月7日(木)までに下記の参加申し込みフォームにより事前登録をお願いいたします。開催日が 近づきましたら、ご記入いただいたメールアドレスにZoomミーティングのURLをお送りいたします。

参加申し込みフォームはこちら:
https://forms.gle/Tcy6391YvX7gCfnw7

お問い合わせ:北島義和(釧路公立大学)
 kitajima【アット】kushiro-pu.ac.jp  [アット]の部分を@にしてください。



九州地区研究会のお知らせ

日時:2021年9月18日(土曜日) 9:30~13:00
会場:オンライン会議方式(Zoom)
参加申込:2021年9月16日(木曜日)17時までに下記より事前登録をお願いいたします。開催日が近づきましたら、ZoomミーティングのURLをお知らせいたします。

参加登録フォームはこちら:
https://forms.gle/1DhSEfZaSNX4iw9D8

問い合わせ先:高野和良(九州大学・日本村落研究学会研究委員会)
 ktakano【アット】lit.kyushu-u.ac.jp  [アット]の部分を@にしてください。 

趣旨説明 高野和良(九州大学)9:30-9:35
「生活研究の射程——生活の視点から現代のムラを捉える」

第1報告 閻美芳(早稲田大学)9:35―10:10
「生活論からみる村の生活の合理性」
 本報告では、若くして不慮の事故で亡くなった独身女性と、近時に亡くなった見知らぬ独身男性とをあの世で結婚させるという中国の「冥婚」と、村の財産や村への奉仕等を金銭に換算し、それを村入り時に課すという茨城県の「村入り賦課金」の2つの事例を示しながら、人々の暮らしを理解し・記述する生活論の特徴について説明する。

第2報告 村田周祐(鳥取大学)10:10―10:45
「生活保障のしくみからみる現代農山漁村―竹内利実の生活組織化論に学ぶ」
 時代に外枠をはめられつつも、その土地で無事に暮らし続けるために私たちが創造する生活を捉える分析枠組みとして「いえ・むら」は現在でも有効的である。その一方で、個人化と移動性が高度化した現代の生活は「いえ・むら」のみで捉えきれない。そこで本報告では、竹内利美の生活組織化論(松村2005)から現代農山漁村の生活を動的に捉える道筋を探求したい。


休憩 10分

第3報告 加来和典(下関市立大学)10:55―11:30
「農村地域における日常型移動研究の意義」
 農村地域においても、買い物や通勤などの日常型移動の拡大により、住民の生活空間は拡張した。その変容は、個々人の欲求充足の水準や利用可能な移動手段などにより、一様ではない。報告者らが行なってきた調査結果を用い、農村地域における日常型移動の状況を確認し、地域研究における日常型移動研究の意義を考えたい。

第4報告 松本貴文(國學院大學)11:30―12:05
「生活構造論からみた現代農村の地域社会(仮)」
 生活構造論は、個人の社会関係のネットワークや生活目標を分析対象とすることで、集落という空間的範囲を超えて広がる共同性や、そこへ参与する人々の主体性を捉えようとする。本報告では、生活構造論を現代農村の社会分析に用いることの意義とその課題について、報告者がこれまで実施してきたいくつかの事例調査を踏まえつつ検討する。

休憩 5分

全体討論 12:10~13:00



村落社会研究ジャーナル研究会のお知らせ

【テーマ】「メディアの中の農村、農村の中のメディア」
【日時】9月19日(日)13時~17時
【開催方法】オンライン(Zoom)で開催します。

※参加にあたって事前登録が必要です。以下のURLより、事前登録をお願い致します。必要事項をご記入のあと、フォームにある「送信」ボタンをクリックしていただくと登録完了となります。開催日が近づきましたら、ミーティングルームのURLをお送りします。なお、当日は、事前登録されている方の氏名を確認の上、会議室への入室を許可します。必ずZoomの設定で「氏名(所属)」が判るようにしておいてください。

参加登録フォームはこちら: https://docs.google.com/forms/d/1tMZImpiihCmsMYSWEEj8qlkkiY8iQy0W-2_ZMEGbNJk/edit

問い合わせ先:
姫野宏輔(学習院大学・村落社会研究ジャーナル編集委員)
 kousukehimeno【アット】yahoo.co.jp  *[アット]の部分を@

研究会:「メディアの中の農村、農村の中のメディア」
【研究会の趣旨】
 農村研究とメディア研究は、お世辞にも交流が活発とは言えない。しかし、現実にはメディアのあり方は、農村社会のあり方に大きな影響を及ぼしており、現代社会において、農村とメディアというテーマで考えるべき議論は山積しているように思われる。
 「消費される農村」の議論においては、各種メディアにおける「農村表象」が、現実の「農村」の構築に関わることが指摘されている。そして、マス・メディアのみならず、インターネットの普及によりさまざまな情報にアクセスできる状況があるなかで、「農村表象」のあり方は多様化・複雑化している。こうした「メディアの中の農村」について、現状では十分な議論がなされているといえるだろうか。
 他方で、「農村の中のメディア」という点に目を向けると、各種メディアの普及によって農村社会の人々の生活が変容したことは間違いない。テレビやラジオ、電話のようなメディアが戦後日本の農村社会に与えた影響は極めて大きい。近年では情報技術の発展に伴い、PCやスマートフォンを活用することで、農村社会のライフスタイルは急速に変化しているようにみえる。その際に、メディアのあり方が農村社会の人々の意識・行動を規定するというだけでなく、メディアを活用する人々が能動的な主体として社会を変えていくという側面にも注意を向ける必要がある。かつては都市に比べて情報発信が難しかった農村だが、SNSや動画配信の普及によってこうした非対称性が揺らぐ可能性もあるかもしれない。逆に、都市と農村の構造的な問題が再生産されることもあるだろう。
 本研究企画では、既存のメディア研究の蓄積を踏まえつつ、「農村メディア研究」の展開の可能性について考えてみたい。

【タイムテーブル(予定)】
13:00~ 開始  
  趣旨説明:芦田裕介(神奈川大学・村落社会研究ジャーナル編集委員)

13:10~15:10 共同報告:NHK農事番組と地域社会
  第1報告 舩戸修一(静岡文化芸術大学)
    NHK農事番組と地域社会(1):農事番組の成立と展開
  第2報告 祐成保志(東京大学)
    NHK農事番組と地域社会(2):「村の記録」にみる放送と農村文化運動の交差
  第3報告 武田俊輔(法政大学)
    NHK農事番組と地域社会(3):農事番組の制作をめぐる諸アクターの交渉
  第4報告 加藤裕治(静岡文化芸術大学)
    NHK農事番組と地域社会(4):ポスト農事番組における「ふるさと」表象の生産  

(休憩 20分程度)  

15:30~ 第5報告:太田美奈子(新潟大学)
    「農業テレビ」としての自治体ケーブルテレビ─青森県三戸郡田子町の事例から─


16:10~ 全体討論

【報告の要旨】
第1-4報告:舩戸修一(静岡文化芸術大学)・祐成保志(東京大学)・武田俊輔(法政大学)・加藤裕治(静岡文化芸術大学)

NHK農事番組と地域社会

 昨今、「消費される農村」など農業・農村のイメージ論や表象論が提出され、新たな農村研究として注目されつつある。しかし、かつてNHKには「農事番組」という番組ジャンルがありつつも、テレビにおける農業・農村のイメージや表象、メディアと農業・農村の関わりについてはほとんど研究されてこなかった。そこで私たちは、その代表的な農事番組である『明るい農村』(1963年4月~1985年3月)に注目し、その番組の成立背景・展開経緯・制作過程などについて研究を進めてきた。
 第一報告の舩戸は、まずNHKにおいて農事番組がどのような背景で成立し、展開していったのかを示す。そのうえで『明るい農村』の一コーナーであった農業・農村ドキュメンタリー「村の記録」をとりあげ、その内容を明らかにする。
 第2報告の祐成は1970年代の「村の記録」に着目する。この時期の「村の記録」を通覧すると、定型的な枠組みのもとで農村・農民が描かれていたことが分かる。ただし、農村の当事者が集団的な活動を通じてリテラシーを高め、豊富な記録を蓄積しつつある地域では、農村は単に記録される客体にとどまらない。本報告では、秋田県を舞台にした番組の制作過程を検討し、制作者と対象者の間で形成される複合的な関係を明らかにする。
 第3報告の武田も1970年代を中心に、東京の農事部、地方局でRFD、そしてNHK側と農村社会との間で情報や人脈を媒介したNHK農林水産通信員に焦点を当て、NHKと農村社会との交渉過程の中でいかに農事番組が制作されたかについて、具体的な事例から分析する。そしてNHKだけでなく農村社会の諸アクターが農村の表象をめぐって情報提供やそのコントロールを通して相互に関わり合い、利用し合うせめぎ合いのアリーナとして農事番組を位置づける。
 第4報告の加藤は、農事を明確なジャンルとするテレビ番組『明るい農村』の放送が終了するなど、NHKが農事番組を縮小させていく中で、農林水産通信員の目的や役割がどのように変化したのかを明らかにする。特に個人でビデオカメラを所有し、地域の映像を撮影する通称「ビデオ」と呼ばれた通信員に焦点を当て、放送番組に対する彼らの関与=ポスト農事番組の制作プロセスが地域社会に何をもたらしたのかを考察する。

第5報告:太田美奈子(新潟大学)

「農業テレビ」としての自治体ケーブルテレビ─青森県三戸郡田子町の事例から─

 本発表は、テレビの難視聴地域であった青森県三戸郡田子町が県内自治体初のケーブルテレビ局を開局するに至った経緯と開局後の実践を振り返り、農村の情報化について考えるものである。
 田子町は青森県の南に位置し、岩手県と秋田県に接する県境の町である。農業が盛んであり、にんにくの生産地として名高い。集落は山間の川沿いに点在しており、この立地がテレビ電波の受信を困難にしていた。青森県では1959年に2つのテレビ局が開局し、翌年から県内各地で次々と電波塔が設置されていくものの田子町に電波は届かず、町への電波塔設置までには10年の年月を要している。しかし設置後も難視聴が続く集落は少なくなかった。このような状況のなかで、田子町の人々は早くから有線によるテレビ視聴を試みる。電気店店主による取り組み、NHK共聴を経て、1994年には県内自治体が運営するケーブルテレビ局として初めて、田子町ケーブルテレビジョン(以下・TCV)が開局した。旧自治省が地域情報化対策として開始したリーディング・プロジェクトを活用したものである。
 難視聴の解消を目的として始まったTCVだが、他局からの電波送信だけでなく開局当初は3つの自主チャンネルも備え、その内容は「農業テレビ」と言っても過言ではなかったという。「市況チャンネル」では中央市場における農作物等の市況が、「お天気チャンネル」では町内7ヶ所に設置された気象ロボットによる気象情報が伝えられていた。
 農林水産省や旧自治省、旧郵政省は、古いものでは1965年より、特に農村地域にてケーブルテレビ施設への助成事業を起こしてきた。都市部との情報格差是正を出発点とした農村の情報化だが、TCVの「農業テレビ」のように格差是正以上の役割を担う事例も多々ある。中央集権的な歩みを進めてきた日本のテレビにおいて、地域の生業を指向するようなローカルな実践を模索し続ける主要な場となったのが農村だった。


過去の地区研究会

こちらをご参照ください。

研究・年報編集委員会

1. 研究委員会

   氏 名  地 区  所 属
委員長 矢野 晋吾   青山学院大学
委員  北島 義和 北海道 釧路公立大学
平井 勇介 東北 岩手県立大学
西山 未真 関東  宇都宮大学 
川田 美紀 関西・東海 大阪産業大学 
村田 周祐 中四国  鳥取大学 
高野 和良 九州   九州大学 

2. 年報編集委員会

  氏 名 所 属
委員長 築山 秀夫 長野県立大学
委 員 岩間 剛城 近畿大学 
図司 直也 法政大学
田中 里美 都留文科大学
船戸 修一  静岡文化芸術大学
牧野 厚史 熊本大学

過去の大会および村研年報

月日 場所 会場 共通課題/テーマセッション 村研年報
(書名のない場合には,前年共通課題名)
シリーズ名
1 1953 10月12日 宮城県仙台市 東北大学農学研究所講堂 農地改革と村落構造 村落社会研究会年報(時潮社刊)
2 1954 10月18日 東京都文京区 東京教育大学文学部 農地改革と農民運動 Ⅰ.村落研究の成果と課題
3 1955 10月18日 大阪府大阪市 毎日新聞大阪本社講堂 農家人口の変動と家族の構造 Ⅱ.農地改革と農民運動
4 1956 10月25日 東京都 毎日新聞東京本社講堂 農家人口の変動と家族の構造 Ⅲ.村落共同体の構造分析
5 1957 11月23~24日 東京都文京区 東京大学法文経20号館 戦後農村の変貌 Ⅳ.農村過剰人口の存在形態
6 1958 10月7~8日 宮城県玉造郡鳴子町 鳴子温泉農民の家 村落共同体 Ⅴ.戦後農村の変貌
7 1959 10月19~20日 東京都文京区本郷 学士会館 政治体制と村落 Ⅵ.村落共同体論の展開
8 1960 11月3~4日 愛知県蒲郡 蒲郡温泉蒲郡荘 政治体制と村落-政治と農民- Ⅶ.政治体制と村落
9 1961 11月18~19日 静岡県御殿場市 国立中央青年の家 農政と農民の組織化 Ⅷ.農政の方向と村落社会
10 1962 10月31~11月1日 宮城県作並 作並温泉河合ホテル 農民組織の存在形態
11 1963 10月15~16日 兵庫県神戸市須磨区 神戸市国民宿舎須磨荘 都市との関連における村落の変動 Ⅸ.農民層分解と農民組織
12 1964 9月23~24日 神奈川県箱根町 強羅静雲荘 「むら」の解体
13 1965 10月5~6日 静岡県身延町 身延山 「むら」の解体 第一集 (村の解体) 村落社会研究(塙書房刊、書名なし)
14 1966 10月19~20日 神奈川県箱根町 青風荘(国家公務員共済) 村落における権力構造の変化-村の解体と再編成- 第二集 (共通課題について明示しない)
15 1967 10月5~6日 愛知県 愛知大学・伊良子岬休暇村 村落構造の変化に対する推進力 第三集 (共通課題について明示しない)
16 1968 10月23~24日 神奈川県鎌倉市 若宮荘(国家公務員共済) 村落社会の変化に対する推進力 第四集 (共通課題について明示しない)
17 1969 10月1~2日 兵庫県多紀郡篠山町 国民宿舎篠山荘 村落社会の変動 第五集 (「村落社会変化推進力」討論総括あり)
18 1970 10月28~29日 山形県天童市 旅館新庄館 村落社会研究の方法 第六集 (村落社会の変動)
19 1971 10月13~14日 京都府乙訓郡長岡町 光明寺信徒会館 村落社会研究の方法 第七集 (村落社会研究の方法)
20 1972 10月11~12日 千葉県鴨川市 国民宿舎望洋荘 日本社会における村落と都市 第八集 (村落社会研究の方法)
21 1973 10月30~31日 三重県志摩郡浜島町 合歓の郷 現段階における都市と農村の対立の諸形態 第九集 (日本社会における村落と都市)
22 1974 10月12~13日 宮城県蔵王町 遠刈田温泉 日本資本主義と家 第十集 (現段階における都市と農村の対立の諸形態)
23 1975 10月8~9日 石川県能美郡辰口町 金沢大学辰口共同研修施設 日本資本主義と家 第十一集 (日本資本主義と家) 村落社会研究(お茶の水書房刊、二〇集以降書名復活)
24 1976 10月14~16日 島根県鹿足郡津和野町 町営国民宿舎青野山荘 村落生活の変化と現状-農民にとっての生活破壊とは何か- 第十二集 (日本資本主義と家)
25 1977 10月15~16日 福岡県柳川市 県立県南婦人センター 村落生活の変化と現状-その主体的再編成をめぐって- 第十三集 (村落生活の変化と現状 ―農民にとっての生活破壊とは何か―)
26 1978 10月25~26日 山梨県河口湖町 富士桜荘 農村自治-史的展開と現状- 第十四集 (村落生活の変化と現状 ―その主体的再編成をめぐって―)
27 1979 10月1~2日 北海道加東郡上士幌町 糠平温泉ホテルニュー琴月 農村自治-その制度と主体- 第十五集 (農村自治―史的展開と現状―)
28 1980 10月3~4日 奈良県桜井市多武峰 多武峰観光ホテル 農村自治-その構造と論理- 第十六集 (農村自治―その制度と主体―)
29 1981 10月13~14日 栃木県日光市菖蒲ヶ浜 幸の湖荘地方公民共済 農村計画-農村自治の課題の展開として- 第十七集 (農村自治―構造と論理)
30 1982 10月17~18日 宮城県仙台市 茂庭荘仙台市勤労者保養所 村落の変貌と村落社会研究-30年の歩みをふりかえって- 第十八集 (農村自治)
31 1983 10月12~13日 茨城県久慈郡大子町 ホテル奥久慈 農政と村落 第十九集 (村落の変貌と社会研究 ―三〇年の歩みをふりかえって―)
32 1984 10月10~11日 兵庫県赤穂市 赤穂簡易保険保養センター 農政と村落 第二十集  共通課題・農政と村落
33 1985 10月31~11月1日 愛知県額田郡 三河ハイツ 土地利用秩序と村落の土地管理機能 第二十一集 共通課題・農政と村落
34 1986 11月20~21日 島根県八束郡玉湯町 玉造温泉ホテル玉泉 土地と村落-村落の変貌と土地利用秩序- 第二十二集 共通課題・土地と村落 Ⅰ
35 1987 10月5~6日 山形県鶴岡市 いこいの村庄内 土地と村落-戦後土地所有の変化と地域農業- 第二十三集 共通課題・土地と村落 Ⅱ
36 1988 10月6~7日 神奈川県大井町 いこいの村足柄 農村社会編成の論理と展開-転換期における家と村落- 24・ 村落の変貌と土地利用形態―土地と村落Ⅲ― 年報・村落社会研究(農山漁村文化協会刊)
37 1989 10月18~19日 岐阜県大野郡白川村 白川村萩町公民館 農村社会編成の論理と展開-転換期の家と農業経営- 25・ 現代農村の家と村落 農村社会編成の論理と展開―I
38 1990 10月10~11日 高知県幡多郡十和村 十川小中学校体育館 農村社会編成の論理と展開 26・ 現代農村の家と農業経営 農村社会編成の論理と展開―Ⅱ
39 1991 10月10~11日 長野県木曽郡楢川町 楢川村福祉会館 日本農業・農村研究の課題を求めて-家族経営危機の国際比較:環境問題・農業危機・集落機能の接点としての家族経営危機- 27・転換期農村の主体形成 農村社会編成の論理と展開―Ⅲ
40 1992 10月29~30日 熊本県牛深市(天草) 総合センター 日本農業・農村研究の課題を求めて-家族経営危機の国際比較:環境問題・農業危機・集落機能の接点としての家族経営危機- 28・家族農業経営の危機  その国際比較
41 1993 10月3~5日 北海道網走郡女満別町 湖南荘 村研40年-これからの課題 29・家族農業経営の危機 その日韓比較
42 1994 11月2~3日 愛知県南知多町 レシーア南知多 農業と女性-労働と意識の変化をめぐって- 30・家族農業経営の変革と継承
43 1995 11月18~19日 京都府亀岡町 京都レクリエーションセンター亀岡ハイツ 村落研究と環境問題に関わる課題発掘 31・家族農業経営における女性の自立
44 1996 10月24~26日 山形県南陽市 ハイジアパーク南陽 有機農業運動の可能性と課題-農村の再生、都市との連携- 32・川・池・湖・海 自然の再生 21世紀の視点
45 1997 10月23~25日 新潟県中魚沼郡津南町 グリーンピア津南 現代日本の山村再生問題-21世紀への課題と展望をめぐって- 33・有機農業運動の展開と地域
46 1998 10月23~25日 埼玉県比企郡嵐山町 国立婦人教育会館 農村の高齢化と地域福祉 34・山村再生 21世紀への課題と展望
47 1999 10月16~17日 東京都文京区 東洋大学 日本農村の20世紀システム-現代社会経済理論による農村研究の再発見- 35・高齢化の時代を拓く農村福祉
48 2000 11月8~9日 愛媛県明浜町 中央公民館 日本農業・農村の史的展開と転機に立つ農政-第二次大戦後を中心に- 36・日本農村の「20世紀システム」 生産力主義を超えて
49 2001 11月9~11日 静岡県引佐郡三ヶ日町 浜名湖三ヶ日簡易保険センター いま改めて日本農村の構造転換を問う-1980年代以降を中心として- 37・日本農業・農村の史的展開と農政 第二次大戦後を中心に
50 2002 10月11~13日 岩手県遠野市 あえりあ遠野 21世紀村落研究の視点 38・日本農村の構造転換を問う 一九八〇年代以降を中心として
51 2003 10月9~11日 北海道栗山町 カルチャープラザEki 21世紀東アジア農村の兼業化とその持続性への展望 39・ 21世紀村落研究の視点 村研 50周年記念
52 2004 11月13~14日 茨城県鹿島郡旭村 いこいの村涸沼 消費される農村-現代農村研究における方法論的フロンティア- 40・東アジア農村の兼業化  その持続性への展望
53 2005 11月11~13日 山梨県笛吹市石和 石和温泉ホテル糸柳 地域における教育と農 41・消費される農村 ポスト生産主義下の「新たな農村問題」
54 2006 11月3~5日 愛知県北設楽郡東栄町 東栄グリーンハウス 日本農村におけるグリーンツーリズムの展開 42・地域における教育と農
55 2007 11月30日~12月2日 鹿児島県南大隅町 南大隅町中央公民館 日本における近世村落の共同性を再考する 43・グリーン・ツーリズムの新展開
56 2008 10月31日~11月2日 新潟県佐渡市 佐渡島開発総合センター 集落の再生に向けて 44・近世村落社会の共同性を再考する
57 2009 10月30日~11月1日 京都府綾部市 ホテル広子園 文化としての鳥獣被害-心意と政策をむすぶもの 45・集落再生-農山村・離島の実情と対策
58 2010 11月19日~21日 長野県上田市別所温泉 別所観光ホテル 都市の中のむら 46・鳥獣被害―〈むらの文化〉からのアプローチ
59 2011 10月28日~30日 熊本県小国町 学びやの里「木魂館」 農村社会を組みかえる―ジェンダー関係の視点から― 47・都市資源の<むら>的利用と共同管理
60 2012 10月26日?28日 鳥取県智頭町 智頭町旧山郷小学校 平成の市町村合併と農山漁村 48・農村社会を組みかえる女性たち―ジェンダー関係の変革に向けて―
61 2013 11月1日~3日 福井県越前市 越前市生涯学習センター 他 村の再編 49・検証・平成の大合併と農山村
62 2014 10月31日~11月2日 岩手県宮古市 グリーンピア三陸みやこ 災害を処遇する家と村 50・市町村合併と村の再編―その歴史的変化と連続性
63 2015 11月6日~8日 岐阜県郡上市 和良町民センター 現代社会は「山」との関係をどう取り戻すことができるのか 51・災害と村落
64 2016 11月4日~6日 山口県萩市 萩セミナーハウス 他 日本農山村における〝協働”型集落活動の可能性 52・現代社会は「山」との関係をどう取り戻すことができるのか
65 2017 11月10日~12日 静岡県浜松市天竜区 春野山の村 他 イエの継承・ムラの存続―歴史的変化と連続性・創造― 53・協働型集落活動の現状と展望
66 2018 10月26日~28日 宮崎県西臼杵郡高千穂町 高千穂町役場 他 小農の復権:日本農業のイメージを解放する 54・イエの継承・ムラの存続―歴史的変化と連続性・創造―
67 2019 11月8日~10日 宮城県仙台市 茂庭荘 人の移動からみた農山漁村―村落研究の新たな地平を目指して 55・小農の復権


バナースペース

日本村落研究学会事務局

学会事務局
〒819-0395
福岡県福岡市西区元岡744 九州大学 人間環境学研究院 山下亜紀子研究室内
TEL: 092-802-5178
e-mail:akiko-y8〔at〕lit.kyushu-u.ac.jp

口座記号番号:00150-9-387521
口座名:日本村落研究学会(ニホンソンラクケンキュウガッカイ)